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ペットは家族 震災で命の尊さが浮き彫り 坂本龍一さんのメッセージ
素晴らしい内容!!本当に仰るとおりです!!
(msn産経ニュース 2011.7.23 07:00 )
18、19日、ぼくは東日本大震災以降、初めて被災地に行ってきました。
ぼくが主宰する森林保全団体のモア・トゥリーズが、岩手県住田町にある被災者向けの木造仮設住宅約100棟の建設を支援しているため、その視察が目的です。
ここでの様子はまた別の機会に書きますが、特徴の1つはペットが飼えるようになっていることです。
ぼくも子供のころネコと暮らしていたのでわかりますが、飼っている人にとってペットは家族だと思います。
家族と離れて生活しなくてはいけないという理不尽に、ぼくは耐えられるかどうかわからない。
だから視察の時、仮設住宅のなかでイヌと過ごしている被災者の方を見たときは、ほっとしました。
ただ、東京電力福島第1原発から半径20キロ圏内に設定された警戒区域内では、ペットや家畜が取り残されたと聞いています。
なぜ同じ命なのに、人間と動物で優劣をつけるのか分からない。人間の傲慢としか思えません。
家畜に関しても本来は同じように扱うべきだが、彼らは震災前も後も「資源」として扱われています。
逆に人間が「資源」として扱われたら、あなたはどう思うだろうか。
震災では、動物に対する考え方や問題が浮き彫りになったと思います。
そもそも、これまで日本はペットを簡単に「処理」してきました。
保健所(動物愛護センター)では、イヌやネコが年間20万匹以上も殺処分されています。
警戒区域内ではペットが取り残された一方、都心では深夜にかかわらず、真昼のように明るい店で自分たちを「買って」くれるお客を待っている動物たち。
これは環境問題にも関係してきますが、人間の欲が動物たちの生存権を奪っています。
殺処分ゼロのドイツでも、かつてはたくさん殺処分されていたそうです。
それに対し、誰かが異議を唱え、時間をかけて行政を動かし、法律を変えた。
変化のためには、誰でもおかしいと思うことをたった一人でも声を上げられる自由のある社会であることが必要です。
被災を別にして普段でも、本来保護したペットは里親や預かりボランティアなどを積極的に募集して、
「処理」するべきではないと思います。
被災した後は行政も大変なことはよく分かっていますが、人間と同じ命として扱って、とお願いするしかありません。
坂本龍一さんらが昨年設立した一般社団法人「FreePets ペットと呼ばれる動物たちの生命を考える会」は、警戒区域に動物が残された問題に関し、ほかの動物関連団体と「区域内の動物を救護する緊急措置を求める要望書」を政府や自治体に4月25日提出。その後、5月10日からの一時帰宅時にペットの救助活動が認められるようになったほか、7月16、17日には政府の原子力災害現地対策本部のもと獣医師らが残されたペットの救出を実施している。
また、FreePetsは来年の動物愛護法改正に向け、改正案として動物虐待の定義づけの見直しや動物取扱業の規制強化など12項目を公開。賛同の署名3万293通は26日、環境省に提出する。
■FreePets公式HP http://freepets.jp/
坂本龍一(さかもと・りゅういち)
1952年東京生まれ。東京芸大大学院修了。78年、YMOに参加。88年、映画「ラストエンペラー」で米アカデミー賞作曲賞など受賞。2006年、エイベックスグループとレーベル「commmons」を共同で設立した。環境・平和問題にも言及。米ニューヨーク州在住。