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警戒区域のある家畜の気持ち
僕の名前は家畜です。
警戒区域と呼ばれる所に住んでいました。
ある日突然ご主人さまの姿を見なくなりました。
そしていつもご主人さまが運んでくれるご飯がなくなりました。
生まれて初めてすごくお腹が空きました。
生まれて初めてすごく喉が渇きました。
ご主人さまが居ないと僕はご飯を食べられない事を知りました。
とてもとても苦しかったです。
ある日知らない誰かが来て、ご飯をくれました。
ご主人さまじゃなくてもご飯をくれる人間がいる事を知りました。
そしてその人間は僕を外に出してくれました。
僕は生まれて初めて知らない光景を見ました。
外はこんなに広かったんですね。
生まれて初めて自分の行きたい所に行きました。
家族と一緒に散歩しました。
生まれて初めての経験を沢山しました。
生まれて初めて生きてる感じがしました。
お腹が空くので草を食べました。
でも全然足りません。
喉もとても渇いています。
水を探したけど見つかりません。
やっぱり人間が居ないと僕はご飯を食べられないんだと思いました。
僕はとてもとても苦しくなってついに倒れてしまいました。
自分の命がもう残り少ない事を感じました。
それでも不思議と生きてる感じがしました。
その後はあまり覚えていません。
気が付いたら天国という所に居ました。
僕は自分の命がなくなった事を知りました。
天国に来て牛舎で突然居なくなった友達に会いました。
僕の話をしたらとても羨ましがっていました。
友達は生きている感じがどんなのか知らないそうです。
友達が居なくなった後の話を聞きました。
友達は泣きながら話してくれました。
あの後トラックに乗せられ人間に殺されたそうです。
それはそれは怖くて痛かったそうです。
僕はビックリしました。
人間が僕たちを殺すなんて知りませんでした。
僕はとてもショックでした。
ご主人さまは助けてくれなかったそうです。
友達は人生の思い出は苦痛と恐怖だけだったと言っていました。
天国にいる友達のほとんどが同じ事を言っていました。
僕は自分の命を自分で終えられて良かったと思いました。
生きてる感じが幸せという感情だったと知りました。
いま天国から地球の家畜仲間を見ています。
みなとても苦しそうです。
みなとても悲しそうです。
僕ら家畜の命は人間のためにあると知りました。
殺される為に餌を食べているだけの人生なんだと知りました。
生まれる目的が殺される事です。
そして殺されなかったとしても、僕ら家畜は人間がいないと死んでしまう事を知りました。
自分の命を生きられないのなら、
生きてる感じがないのなら、
もう2度と生まれたくありません。